東京高等裁判所 昭和38年(ツ)30号 判決
本件記録中の送達報告書(記録一二八丁)及び電報(同一三三丁)並びに上告状(同一三五丁)によると、原判決は昭和三十七年九月五日上告人の訴訟代理人である弁護士佐久間渡に送達されたところ、上告人は上告期間満了の日である同月十九日原裁判所である宇都宮地方裁判所にあてて、当事者双方の氏名及び事件番号を明らかにして上告をなす旨の電報を発し、右電報は同日午後五時三十分原裁判所当直により受理され(その後同月二十六日上告代理人から原裁判所に上告状が提出され、右上告事件は当裁判所昭和三十八年(ツ)第二九号事件として係属したものである。)たことを認めることができるから、本件においては右電報受理の日時に上告がなされたものといわなければならない。しかるに、上告代理人はその後これとは別に、昭和三十七年九月十九日午後五時三十七分上告裁判所である当裁判所に直接本件上告状を提出した(その後原裁判所に移送せられた)ものであることは、本件上告状の受付印によつて認められる。してみると本件上告は二重になされたもので不適法であることが明らかであり、その欠缺は補正することができないものであるから、民事訴訟法第三九九条の三を適用してこれを却下する
(村松 伊藤 杉山)